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2018.09.17

Sanaの部屋:耳を澄まして、頭を研ぎ澄まして、音の変化のルールをみつける

 

 

Hei !   (フィンランド語の「Hi !」)

主に中高生対象に英文法の個人レッスンを担当しているSanaです。

 

 

 

ここまで私のブログを毎回読んでくださった方は、「今回の挨拶、予想通り!」だったでしょうか?

もしくは、そろそろ、「フィンランド語の挨拶、何種類あるんだ…?!」と不安に思い始めていたりして…。

次回もお楽しみに!

あ、ブログはまだ続くので、できれば下までお読みください♪

今回の「さようなら」は一味違います。

 

 

 

「デーコテーテッテー」

フィンランド語で始まったから、これもフィンランド語かな?!と思ったあなた、残念…これは、モールス信号のようだと言われることもある岡山弁です。

つまり、日本語です。

意外でしたか?

岡山弁には「ぼっけー(=すごい)」のように、共通語からは想像できない単語もありますが、上記の文については、音は変化していますが、単語的には共通語と然程かけ離れてはいません。

意味を想像できますか?

 

ヒント:岡山弁の「でーれー」は、名古屋弁の「どえりゃー」です。

 

「でーれー」=「どえりゃー」=「どえらい」まで想像できると、「あれ?岡山弁では、二重母音が「えー」と伸びることが多いのかな?」と気付くかもしれません。

冒頭のモールス信号、「えー」に当たる部分を他の母音に置き換えると…

 

「でーこてーてってー」=「だいこんたいておいて」=「大根、炊いて(=煮て)おいて」

 

となります。

 

このルールが分かると、「でーれーえれー」=「どえらいえらい」と音的に変換できるようになります。

また、意味については、テレビなどで関西弁を耳にする機会があるかと思うので、そこからの類推で、「えらい」=「しんどい」=「(「辛い」「きつい」に近いニュアンスの)疲れた」だと気付けると、「でーれーえれー」=「とてもくたびれた」に辿り着けます。

 

 

 

母国語を話していると、気付けないことですが、言語を聞き取って理解するためには、耳と頭を瞬時にフル回転させる必要があります。

そして、それは特別な能力ではなくて、普段の生活の中で何気無く話しているだけで、みなさん耳も脳もフル回転させています。

それが、外国語を話している時は、意識しなければならなくなるだけです。

例えて言うなら、10cmとか15cmの階段なら、何気無く上れるのに、登山道で時々現れる50cmくらい段差の階段だと、ストックを突いて、「よっこらしょ」と気合いを入れないと上れない…というのと似ています。

 

 

 

私の父は岡山県出身ですが、私は田無っ子なので、子供の頃、父の田舎に行った際、孤独を感じることがありました。

(たぶん)親戚のおばあちゃん(←親戚が多すぎて、このおばあちゃんがどこの誰だったのか、未だによく分かりません)のお話を聞いて、部屋中に集まった親戚一同が大笑いしているのに、私が聞き取れた単語はただ1つ…それすらも意味が分かりませんでした。

おばあちゃんが何回も言っていたから、きっとこのお話のテーマはこの言葉に違いない…と確信した私は、おばあちゃんに勇気を出して聞いてみました。

「おばあちゃん、「へーじゃけ」ってどんなお魚なの?」

おばあちゃんは困惑気味で、「なーに言いよるんじゃぁ、こん子はー」と言い、叔母が、「なんで「へーじゃけ」がお魚だと思うたん?」と間に入ってくれました。

「「へーじゃけ」ってシャケ(鮭)の一種じゃないの?」と私が聞くと、叔母は笑いながら、「「へーじゃけ」の意味が知りてーんじゃと」とおばあちゃんに言い、おばあちゃんは更に困惑しながら、「へーじゃけは、へーじゃけじゃけ、へーじゃけじゃー」と言うばかり。

最後に叔母が、「「へーじゃけ」は「それだから」いう意味なんよ」と教えてくれた時、小2にして私は愕然としました…血を分けた親戚の言葉を理解するのに、どうやら私は外国語のように岡山弁を一から勉強しないといけないらしいと気付いたからです。

 

 

 

「英語なんてできなくたって、日本にいる分には、死にやしないよ、なぁ」と話している二人の男の人達を吉祥寺のライブハウスで見かけたことがあったのですが、それは強がりなんじゃないか…と私は感じました。

そのライブは、フィンランド人超絶技巧ギタリスト、ペッテリ・サリオラのもので、彼はギターと同じくらい、話術も巧みで、早口だけど聞き取り易い軽妙な英語で、何度も笑いを誘っていました。

ただ、通訳がいた訳ではないので、笑っていたのは英語を理解できる一部の人だけでした。

二人の男の人達はたぶん、気付いてしまったのです…私が子供の頃に岡山の親戚の中で感じたような、言葉を理解できない時に感じる孤独を。

ただ、お友達同士で来ていたので、孤独に向き合う必要がなく、日本語に逃げられたというだけです。

 

 

 

孤独感から逃れたいというモチベーションのお陰で、その後親戚の言葉を注意深く聞くようになった私は、親戚の話す岡山弁を子供の頃よりは大分聞き取れるようになりました。

英検ならぬ岡検があったら、子供の頃は5級も受からなかったでしょうが、今なら3級、上手くすれば2級とダブル合格できるかもしれません(笑)。

 

 

 

「あうりんこはENGLISH STUDIOなのに、なんで岡山弁の話?」と思われているかもしれませんが…この、音のルールを見出だすというのは、語学を勉強する上で、とても大切な要素だと私は考えています。

 

例えば、talkとwalkのような文字と音の関係性を覚えるために。

例えば、英語圏でも国によって発音が異なりますし、ネイティブ以外の英語は、話者の母国語により、響きがかなり違うので、それぞれ聞き取って、理解するために。

 

 

 

昔、オーストラリアに旅行に行った時、一緒に行った遠縁の女の子から、「ジーンズを買いたいけど、英語が話せないから、着いてきて」と頼まれました。

ジーンズを選び、裾のカットをお願いして、あとはお金を払うだけの彼女をレジに残し、お店の中を見て回っていると、彼女が大きな声で私を呼んでいます。

レジに駆け付けると、彼女はレシートを見せながら、「余計な金額が載ってる。これは何?」と私に聞いてきました。

お店の人にそのまま伝えると、「タイラー分」とのこと。

「タイラー?!タイラーって何?」と私が聞き返すと、お店の人からは、「彼女は裾上げを希望したでしょ?その分です」という答えが返ってきました。

 

 

 

その時突然私の頭の中に、以前テレビで見たNHKイギリス英会話の番組の中で出てきた単語がポーンと浮かんできました。

アメリカ英語のfreewayやhighwayに当たるイギリス英語の単語、motorway(高速道路)。

日本人の感覚では、「モーターウェイ」と発音しそうなものですが、その番組の中のイギリス人の女性の発音は、私には「マウターワイ」と聞こえました。

 

 

 

「アイ」→「エイ」になる可能性がある…ということは!

「タイラーって、テイラー(tailor=仕立屋)のこと?」と聞くと、お店の人は、「だからさっきからそう言ってるじゃないの」といった顔で頷きました。

日本人である私には、「タイラー」と「テイラー」は全く異なるものに聞こえましたが、お店の人には大差なかったようです。

 

 

 

折角英語の話になったのに、ここでまたお話は岡山弁に戻ります。

 

以前、故 水木しげる先生についてのテレビ番組を見ていた時、画面に写し出されたマンガを見て、父が、「おお、鳥取でも岡山と同じ言葉を使うのかー」と呟いたことがありました。

私にはその画面には岡山弁っぽい表現があるように見えなかったので、「どの言葉のこと言ってるの?」と聞くと、父は事も無げに「「きよとい」って書いてあったじゃないか。お前も知ってる岡山弁だ」と答えました。

「「きよとい」なんて知らないけど…どういう意味?」と聞くと、「前に教えたから知らない訳がない。「恐い」という意味だ」と父。

確かに私は岡山弁の「恐い」という単語を知っていました。

ただ、私は、岡山弁の「きょーてー」と鳥取弁の「きよとい」の間の音のルールに気付けなかったのです。

父は東京暮らしが長いので、普段は岡山弁の単語など使っていないのに、やっぱり岡山弁ネイティブなんだな、そして、私は岡検2級落ちちゃうレベルかも…と思った瞬間でした。

 

 

 

日本語でも英語でも、音に幅を持たせて考える習慣が身に付くと、聞き取れる単語が増えます。

取り敢えず辞書を引く時に、発音記号をチェックする時は、アメリカ英語とイギリス英語の両方の発音に目を通してみてください。

日本の学校教育は、アメリカ英語に基づいて行われていることが多いと思いますが、フィンランドではイギリス英語を教えているので、博物館などの英語の解説もイギリス発音だったりします。

両国の発音がどう違うかという音のルールが分かっていると、聞き取りの助けとなると思います。

 

 

 

今度こそ短く書こうと思っていたのに、また長くなってしまいました(^_^;)

ここまで辿り着いた方が、一人でもいると良いのですが…!

今日はこの辺で…Moikka!(フィンランド語の挨拶。「Hi!」と「So long!」両方の意味で使える万能選手です)