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2018.06.11

Sanaの部屋:言語サーフィン ~音や文字に幅を持たせて捉えると、見えてくること~

 

 

主に中高生の個人レッスンを担当しているSanaです。

アクティブ・ラーニング的な発想を一人で勉強する時にも取り入れて欲しいと常日頃から思っています。

答えがある問題集をやることだけが勉強ではないということを、お伝えしていけたら嬉しいです。

 

 

インターネットで次々と目に付いた記事を閲覧し続けることを、ネット・サーフィンと言います。

それになぞらえて、「言語サーフィン」という言葉を造ってみました。興味の赴くまま、寄せては返す単語という名の波に一緒に乗ってみませんか?

 

 

最初の波は、西東京市の市立中学校で使われている英語の教科書、三省堂『New Crown』の登場人物、Kumi。

以前体験レッスンに参加してくれた○○○ちゃんという女の子の名前と、Kumiには共通点があります。

それは、両方とも同じ単語がフィンランド語にも存在するということ。

Kumiはフィンランド語では「ゴム」という意味です。

ちなみに、「ゴム」はドイツ語だとGummi。

日本語では、食用でないものは「ゴム」、食用のものは「グミ」と呼び分けていますが、ドイツ語では両方Gummiです。

フィンランドが永らくスウェーデンに占領されていた関係で、フィンランド語には元々はスウェーデン語だった単語が沢山存在します。

「ゴム」はドイツ語とは親戚筋のスウェーデン語でもgummiなので、フィンランド語のkumiはスウェーデン語から輸入したもの(借用語)だと思われます。

では、何故、gはkになってしまったのでしょう?

 

 

フィンランドの首都はヘルシンキです。

この「ヘルシンキ」、なんと…借用語です。

最初はスウェーデン語でHelsingforsと名付けられ、その後それを元にして、フィンランド語のHelsinkiという名前が生まれました。

ところで、英語で「ヘルシンキの」は、前置詞のofを付けて、of Helsinkiとなりますが、フィンランド語では単語のお尻にnを付けて、Helsinginと変化させます。

フィンランド語では、kがgに変化することがあるんです。

それを知っていると、Gummiがkumiになっても、「そういうこともあり得るかな」と思えてきませんか?

 

 

フィンランド語でk→gとなるように、日本語でも同じようなことが起きることがあります。

例えば、「箱」は普通は「はこ」と読みますが、「おもちゃ箱」「貯金箱」の時は「ばこ」になりますよね。

日本人や、外国の方でも日本語を理解できる人は、「「はこ」は知っているけど、「ばこ」って何のことだろう?」と思ったりはしません。

日本語ではh→bに変化することがあると分かっているので、頭の中で無意識に変換しているのです。

 

 

借用語は、大抵の国で、自分の国の言葉風にアレンジされて取り入れられます。

フランス語からの借用語は、綴りも発音もフランス語通りにする…というドイツ語のような例外もあるにはあるのですが。

 

 

実は、現代の日本人は、自分で思っているよりずっと、英語の単語を目にしたり、耳にしたりしています。

日本語はある意味パワフルな言語で、外来語(日本語では、漢語を除く借用語をこう呼びます)をどんどん取り入れているからです。

フランスのように、自分の国の言葉を守るため、国家レベルで借用語を制限している国があることを思えば、ものすごく有利だと言えます。

ただ、1つだけ難点が…日本語の外来語はカタカナで記載されるため、日本語にない音の場合、他の音に置き換えるしかありません。

カタカナの外来語で意味を知っていても、綴りと発音は想像するしかないところが、日本人にとって不利な点です。

 

 

では、どうしたら良いでしょう?

外来語が日本語にどんな感じで取り入れられるか、フィンランド語で言えばg→kのようなルールがあることが分かれば、想像し易くなります。

 

 

日本語の文章を読んでいて、カタカナの言葉をみつけ、その綴りを頭で思い浮かべられなかったら、国語辞典を引いてみましょう。

そこには、その言葉の元になった単語の綴りと、何語であるかが書かれています(オンライン辞書だと書かれていない場合があります)。

 

 

次の言葉の元になった単語が何語で、どんな綴りか、想像してみましょう。

国語辞典を引いて、答え合わせをしてみてください。

 

 

・カード

・カルテ

・カルタ

 

 

元々は同じ意味の単語ですが、日本語に取り入れられる際、何語からだったかによって、日本語では意味が違ってしまったことが分かります。

 

 

次に、

 

 

ジュース

①(果物などの)汁、液

②テニス・卓球・バレーボールで、勝負が決まる直前に同点になること。

 

 

についても、想像してから、国語辞典で調べてみてください。

カタカナだと同じになってしまうのに、元となる単語は全く異なる綴りであることが分かります。

 

 

下記に挙げるものも国語辞典で調べてみてください。

元の言語が英語ではない場合、英語の辞書で英単語と発音を比べてみてください。

 

 

・バイオリン

・ビオラ

・バージョン

 

 

・ウィルス

・テーマ

 

 

・ファスナー

・フィールド

・タフ

 

 

・コート

・ツリー

 

 

・フォーク

・ポーク(豚肉)

 

 

・ガーデン

・カーテン

 

 

どんなルールがみつかりましたか?

分かりにくい時は、元の単語の綴りが、カタカナをそのままローマ字にした時と、どのように違っているか、比べながら考えてみましょう。

 

 

日本語の外来語として既に知っている単語を、未知の英単語として新たに覚え直すのは、とてももったいないことです。

日本語の文章を読んでいる時も、常にアンテナを張って、「これって英語?綴りは?」と考え、分からない時は調べる癖を付けておくと、英単語として初めて見た時でも、「あ、この単語、意味分かる!」となります。

カタカナとアルファベット、それぞれ別々のものとして認識するのではなくて、フィンランド語のkとgや、日本語のhとbが、同じ音の変化であるように、音や綴りに幅を持たせて捉えるようにすると、気付きのチャンスが広がるので、是非試してみてください♪

 

 

沢山波に乗ったので、今日のところはこの辺で…moi moi!(=フィンランド語でBye bye!)